みなさん、こんにちは!
神門鍼灸整骨院 甲東園院です(^^)/
暦の上での冬は立冬(11月上旬)~立春(2月上旬)までの約3か月を指します。
東洋医学の観点では、冬は寒さから身を守るために生命力を体の奥に蓄えておく季節と言われます。
身体はエネルギーの流れを内向きにして無駄な消費を抑え「気」(エネルギー)をため込もうとします。
この時期に夏と同じような生活を送っていると「気」の向きが外向きになってしまい、
溜めるべきエネルギーが発散され、寒さに熱を奪われ力を消耗してしまいます。
冬は東洋医学的に、ホルモンバランスや老化をつかさどる「腎」の働きが弱くなりやすい季節です。
中国には「冬至養生(とうちようじょう)」冬を利用して養生するという言葉もあるそうです。
今回はそんな生命の源「腎」のお話です♪
「腎」ってどういうもの?
東洋医学において五臓とは「肝・心・脾・肺・腎」の5つがあります。
それぞれは具体的な臓器のことではなく、人の体内で起きる生理機能のことを表しています。
そのため「腎」といっても西洋医学における「腎臓」の働きとはイコールでなく、
他にも幅広い機能をもっていると言われています。
【生長や生殖などに関わる「精」を蔵す】
「腎」の最も重要な役目は「精気」(せいき)を貯蔵することです。
「精力」という言葉がよく使われますが、これは生命エネルギーや生殖能力などの意味もあります。
精気には「先天の精」と「後天の精」があります。
「先天の精」:生まれてくる前に母親の体内において父母から受け継ぐもの
「後天の精」:食事などによって生きていく中で得られるもの
先天の精の働きによって人は生長・発育することができ、子孫を残すことにも大きく関わります。
後天の精の働きより精気が補われると、女性の場合は適齢期になると月経が始まり、
男性の場合は精子が作られるようになるため、生殖や性ホルモンなどの分泌にも関係しています。
【水分の調整】
体内にある水分の分布と代謝を司り、脾と肺の両者の働きに助けられながら
全身の水分バランスを調整しているのが腎です。
腎の機能が正常であることによって、不要な水分は尿として体外に排泄するために膀胱へ送られ、
必要な水分は肺へ戻して再利用します。
【骨や髄などを作り貯蔵する】
腎は骨の内側に精気を蓄え、骨髄や脊髄などを生じて骨格を形成したり、
骨を丈夫にしたりする役目もあります。
腎に収められている精気が十分に足りている時には、骨格がしっかりと維持されています。
【呼吸機能を助ける】
呼吸で空気を出し入れしているのは「肺」の役目ですが、腎は肺の呼吸機能を補助する働きもあります。
肺が運び下ろしたきれいな気(清気)を引き込んで、吸気を助けます。
「腎」が弱るとどうなるの?
腎が弱っている状態を「腎虚」といい、排尿や生殖、骨などに悪影響を及ぼします。
先天の精が不足していると、発達の遅延や歯の生え変わりが遅いなどの現象が現れることがあり、
特に、精気が足りなくなる成長期以降では、腎が弱まりやすくなるため気をつけなければなりません。
例えば、不妊や性欲減退、閉経が早くなるなどの生殖能力減少に関わる不調が起きることがあり、
生殖可能な年代では特に注意したいところです。
また、水分調整の働きが低下することによって、むくみや尿失禁、尿が少ないなどの
排尿に関するトラブルを引き起こすこともあります。
加えて、腎気が不足してくると、足腰が悪くなったり骨がもろくなる、他にも物忘れや老眼など、
老化に関わる現象には腎の働きの低下が関係することが多いです。
【耳や毛髪などに現れやすい腎の弱まり】
腎の働きが弱まってくると、難聴や耳鳴りなど耳のトラブルが起こりやすくなります。
さらに、腎の健康は毛髪でチェックすることができます。
腎気が十分満たされていれば、毛髪はツヤやコシ・ハリがありますが、
腎気が不足してくると白髪や抜け毛などの毛髪トラブルが起こりやすくなると言われています。
もしかして「腎虚」?チェックリスト
次のような症状が日常的にある場合は「腎」の弱まりがあるかもしれません!
- 疲れやすい
- 白髪や脱毛が増えた
- 足や腰がだるい
- 慢性的な腰痛がある
- 耳が聞こえにくい
- 小さな文字が見づらい
- 皮膚の乾燥が気になる
- 歩行時につまずきやすい
- 夜に何度もトイレに起きてしまう
- トイレが近い
- 手足の冷えがある
- 上半身がほてりやすい
- 足にしびれがある
- 性機能が低下してきた
- 物忘れが多い
当てはまる項目が多いほど、早めに「腎」の気を補うことをおすすめします。
腎の働きを良くする習慣ってなにがあるの?
・早寝&遅起き
睡眠を充分に取るようにするのが大切です。
そして、なるべく感情の起伏も少なくゆったりリラックスを心がけて、
仕事もプライベートも無理をせず、エネルギーをたくさん消耗しないようにしましょう。
・温性食品を食べること
冬に旬を迎える根菜類(人参やゴボウ)は体を温めてくれる作用があると言われています。
お鍋やおでんに大根・白菜などの冬の野菜をたくさん入れて食べると摂りやすいです。
お肉では特に羊肉(ラム肉)は身体を温める作用が強いのでジンギスカンもオススメです。
また、色の黒い食品は腎を滋養してくれるため、海藻類や黒ゴマ、黒豆、玄米、椎茸や牡蠣なども
オススメの温性食品です。
・首や背中、足を温める
首の後ろに風邪のツボがあり、邪気が最も侵入しやすいところです。
寝るときは首元を温かくして、冷えからくるダメージを回避しましょう。
特に心臓から離れている足先は一番冷えやすい箇所なので、
お風呂に浸かるのが苦手な方は、少し熱め(40℃前後)のお湯で足湯を行うのもオススメです。
足の血流が良くなり、ぐっすりと眠れるようになります。
腎の働きを高めるツボ
腎の働きを高めるツボは足の内くるぶしや腰周辺に集まっています。
そのツボを心地よい程度で刺激したり、お灸などで温めるのも良いとされています。
太渓(たいけい)
内くるぶしとアキレス腱の間のへこみある太渓の下には動脈が流れています。
へこみを押して、指先に動脈の拍動を感じるところです。
腎の働きを高めるには必須のツボです。
然谷(ねんこく)
内くるぶしから斜め下の方へ指をすべらせて、ポコっとふくらんだ骨の際にあります。
腎の働きが低下すると血圧が高くなってくるため、血圧が高めの方や不整脈がある方などに
オススメのツボです。
築賓(ちくひん)
足首からふくらはぎに向かって脛んの内側沿いに上がっていき、
アキレス腱からふくらはぎの筋肉に変わる部分を押すと痛みを感じるところです。
起床時の腰の重さや痛みがある時に温めてみましょう。
照海(しょうかい)
内くるぶしのすぐ下のへこみにあるツボです。
耳が遠くなった。耳鳴りがする場合に刺激してみましょう。
腎兪(じんゆ)
文字通りに腎の働きを高めるツボで、へその真後ろの背骨から両わきへ少しズレた場所です。
指圧して気持ちよさを感じる箇所を中心にお灸やカイロ、シャワーで温めると良いです。
命門(めいもん)
腎の働き全般を高めるツボで、おへその真後ろの背骨にあります。
関元(かんげん)
へそに人差し指を置き、親指以外の指4本をそろえて添えて小指が当たっている箇所にあります。
関元を意識して歩くと股関節をしっかり使って歩けるため、
歩くだけで腎の働きを高めることができます。
冬に弱まりやすいと言われる「腎」ですが、一方でその冬の間をいかに過ごすかによって
体調や体質の改善が叶うともいえます。
生命力を司る「腎」、この冬こそパワーを蓄える準備をしていきましょう♪
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